左京先生の大学入試に向けて三者面談室

現役私立中高一貫校教員 大学入試に向けてアドバイスを広めたい

志望理由書添削中2 マジックワードを使っていないか

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志望理由書添削 その② マジックワードつぶし

志望理由書を頑張って書いていると

何にでも対応できるようなことばをつかって

想いを表現してしまうことがあります

 

「様々な分野に関心を持ち,幅広い知識を身につけたいと思います」

「世界中の困っている人々を助けていきたいと思います」

「患者さんの立場に立った看護師になりたいです」

「こども達を笑顔にする教師になりたいです」

 

書いている本人は,

これは難しいことだから、それを達成する目標は崇高だ

と思って書いているのですが

合否を判定する側から読んでみると

『要は,具体的に何をしたいのか全く見えてこない』

という文になってしまっています。

このようなことばを「マジックワード」と呼びます

 

www.blogsakyou.com

 

私のブログで考えてみましょう

例えば私が

「明日は,自分の体調をスッキリさせるために1日を使う予定です」

と書いた場合

ブログとしては敢えて抽象的にすることで良いのかもしれませんが

読んでいる側は

『運動する?』

『マッサージでほぐされるのか?』

『温泉に行く?』

『遅くまで寝坊するのかな?』

と,正解が分からない状態で想像しなくてはいけません

つまり,具体的なものは何も伝わらないのです

こんな私に,どんなコメントを返しますか?

『スッキリしてきて下さい』

『有意義に過ごして下さい』

といった社交辞令のようなやるとりで終わりです

読んでいる側が全く寄り添うことができないのです

 

もし,具体的に水泳,足裏マッサージ,温泉,寝坊・・などと書かれていれば

『水泳は遠心運動で良いですね。眠くなるけど。』

『足裏は痛いですよね。私は無理です』

『夕方の露天風呂は最高ですよね。〇〇温泉もお薦めです』

『私も今朝寝坊しました』

などと,読む側も自分自身が寄り添ってコメントすることができます

つまり,あなたに近寄ってくることができるのです

 

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マジックワードを使わないようにすると,自然と具体化されます

もう一度,同じことを志望理由書で添削してみましょう

「様々な分野に関心を持ち,幅広い知識を身につけたいと思います」

→世界経済や国際法に関心をもっていますが,特に中東とヨーロッパの歴史を踏まえた国際関係について知識を深めていきたいです

 

「世界中の困っている人々を助けていきたいと思います」

→私はとくに身近なアジア地域の貧困に苦しんでいる人々を救うためにはどのような手立てがあるかを,現地の様子だけではなく,その地域の政治的な背景を含めて研究し解決につなげたいと思います。

 

「患者さんの立場に立った看護師になりたいです」

→病気や治療に対する不安だけではなく,入院中の生活や仕事,家族と離れる時間など,医師の前ではあまり話すことの無い不安も聞き取ることができるような看護師なりたいです。

 

「こども達を笑顔にする教師になりたいです」

 →児童一人ずつを毎日一回は褒めることができるよう,授業や休憩時間や家庭での取り組みなどから,こども達の行動や発言にアンテナを張り,それをことばにできるような教員になりたいです。(教師という表現は使いません)

 

いかがでしょうか

具体的なことばに書き換えることで,ぐっと引き寄せられる

文章に変わってくると思います

なんとなくきれいにまとまった文章は,マジックワードでごまかされている

可能性があります

「では,具体的には?」

と問いかけてみながら添削してみて下さい。

 

 

 

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