大学によっては,小論文入試があります。
B判定だから逃げ切り予定だった人も,
今年は,おなじB判定での受験者が多くなっていることを意識して下さい。
小論文入試と一言で言っても,
大学によって,その形態は様々です。
①長い文章を読んで,問いに答えていく
②短い文章を読んで,自分の意見をまとめる
③論文を読み,要約する
④表やグラフが提示され,考察する
⑤自由作文に近いような問い
今年度,私が指導した生徒だけでこれだけのタイプがありました。
きっと他にもタイプがあることでしょう。
対策ですが,すべてに共通することは
用紙の使い方が悪いと減点になります。
段落の出だしは1文字あける(空けないよう指定されるところもあります)。
指定された字数を大幅に下回らない。
同様にオーバーしない。
これらは,加点では無く,減点しないために徹底しないといけないことです。
続いて,「表やグラフに示せ」という問いもあります。
(これが小論文として適切かは疑問ですが)
減点されないためには,「タイトル」を必ず書くことです。
表の場合は,タイトルをデータの上に書きます。
グラフや図の場合は,タイトルをデータの下に書きます。
頭に???がいっぱい出た人は,教科書や資料集,入試問題などを開いてみてください。
『表1』というタイトルはデータの上,
『図1』というタイトルはデータの下
にあるはずです。
細かいですが,大学の先生は論文にいつも触れているので,ここの間違いにはついツッコミを入れたくなってしまい,減点される可能性があります。
自分の意見を書いていく場合にも心がけておきたいことがあります。
技術的なことは,今後解説するとしまして,
これから練習する上で意識して欲しいことは,
「あなたは何学部(何学科)を受験しに来たのですか?」
ということです。
例えば,
「クローン技術の未来について,あなたはどのような事を期待しますか」
という問いに対しては,
農学部ならば,食料生産や実験動物について書くべきでしょう。
医学部ならば,疾病の治療に向けた話題にするべきです。
法学部ならば,法整備について課題と期待を書く必要があります。
ついつい,倫理観について話題にしてしまいがちですが,
それだけでは,十分なかいとうになりません。
農学部でしたら,
「クローン技術は,植物では栄養生殖をはじめ特別な技術では無く,とくに果樹においては挿し木によってすで実用化されている。一方,動物における研究が現在進んでいるが,クローン技術の実用化により,病気の治療を目的とする実験動物が均一な特徴を持つようになり,個体差のないデータを収集できることが期待される。一方で,人間での実用化は,倫理面でも問題視されており,動物でも今後どの動物まで可能になるかと言う課題の解決も必要になってくる」
といったように,
上手に『一方で』を活用して,
2つ(複数の)視点での解答を作成することから心がけてみてください。
まずは,書いてみて添削してもらいましょう。