左京先生の大学入試に向けて三者面談室

現役私立中高一貫校教員 大学入試に向けてアドバイスを広めたい

模試の判定に振り回されないために――ボーダーとE判定の正しい読み方


模試の判定は気になりますが、数字だけで一喜一憂しても学力は上がりません。この記事では、判定の捉え方を整理し、三者面談や出願戦略で活かすための視点をまとめます。

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そもそも、模試に振り回されない

模試をたくさん受けても、受験直結の力は大きくは伸びません。大切なのは、解説を活用した復習と、できなかった分野の弱点克服です。模試は「伸ばすべき点を発見するためのツール」と位置づけましょう。

判定は“過去データのスナップショット”にすぎない

判定は、実施時点の成績をもとにした約1か月前後のデータ反映です。学習が進む時期は変動が大きく、あくまで途中経過の確認として捉えるのが妥当です。

一方で、模試問題は本番に通じる良問が多く、「模試の問題を解けるようにしておく」復習は得点力を底上げします。

学校側でも“扱いが難しい”ことがある

進路検討の現場でも、模試結果の読み違いが生じることがあります。だからこそ、受験生・保護者も基本を押さえ、共通の土台で話せると面談の質が上がります。

よくある誤解ベスト3

第3位:模試によって大学の偏差値ランクは同じ(誤り)

受験母集団が違うため、偏差値は模試会社間でズレます。基本は「受けた模試と同じ会社の資料」で見ること。さらに、同じ“偏差値ランク表”でも、ボーダー基準かB判定基準かで位置が変わる点にも注意しましょう。

第2位:E判定=志望校再検討(短絡的)

共通テスト比重が高い“逃げ切り型”では厳しくても、二次比重の高い“逆転型”の大学・学部では、E判定帯からの合格も実際に出ます。まずは「共通:二次の配点」「二次の出題形式」を確認し、戦略を組み立てましょう。

第1位:ボーダー=自分の合格確率50%(誤り)

ボーダーは「その得点帯の集団として合格・不合格が半々になりやすい目安」を示しているに過ぎません。あなた個人の50%を保証するものではありません。

ボーダーラインの“実態”

模試会社は、過去の模試成績と実際の合否データを突き合わせ、合否の比率が入れ替わるあたりをおおよそのボーダーとします。ただし、実データは必ずしもきれいな分布ではないため、線引きには幅・判断が入ります。

  • 同じボーダー帯でも、伸び基調の受験生停滞・下降の受験生が混在する。
  • したがって「ボーダー=あなたの確率50%」ではなく、その帯の集団の中で合格が半々になりやすいという意味。

面談で使える“確認リスト”

  1. 配点設計:共通テストと二次の比率は? 二次の出題形式(記述・論述・難問比率)は?
  2. 模試の整合:同一会社内での推移(前回→今回)は? 科目別にどこが伸び/課題?
  3. 判定基準:参照している基準はボーダーか、B判定か? 会社ごとの判定レンジの違いは考慮済みか?
  4. 戦略適合:自分の得意科目は配点上優位に働くか? 「逃げ切り型/バランス型/逆転型」のどれを狙うか?
  5. 次アクション:模試復習の完了期限、弱点克服の具体策(教材・ページ・回数)を明文化できているか?

まとめ

  • 模試は途中経過の確認。数字は戦略に翻訳して使う。
  • 判定・偏差値は模試会社でズレる。同一会社内の推移と科目別の中身を重視。
  • E判定でも配点と形式次第で勝機あり。出願は「配点×適性」で設計する。
  • ボーダーは個人の50%ではない。集団的な目安と理解しよう。

判定は“地図”。地図の読み方を身につければ、進むべき道は見えてきます。

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